経験則かデータ経営か

経験則かデータ経営か

意思決定に重要なものとは?

世界で数百兆円もの製造業の収益が間接営業によってもたらされていると言われてます。販売パートナは販売過程で重要な役割を担っており、ビジネスへの貢献度が高いことは明らかであり、おろそかにすることはできません。

販売パートナからのデータが古くて質の低いものであれば、推測で意思決定をしなければならず、それは避けたいものです。しかし、質の高いデータを入手できれば、新しいビジネス機会を把握したり、適切なタイミングで施策を打ったり、最終的により多くの製品を販売することに繋げることができます。

CRMマガジンによると、CDM(Channel Data Management)を導入した企業は、売上が5%から10%が高まったそうです。

販売チャネルが持つデータをモデル化し、データの関係性を定義すれば、販売チャネルを包括的に把握できるようになります。それは家の設計図のようなもので、しっかり設計できれば、使い勝手のいい家を建てることができるのです。チャネルデータのモデルを正しく実装できれば、堅固なインフラの構築や競合との差別化が可能になり、成長率と収益性を高めることができます。チャネルのデータを自動的に集約して単一の情報源として活用できれば、関連製品や上級モデルの製品の販売機会を把握したり、手作業による業務負荷を削減したり、パートナープログラムにかけるコストを適正化することができます。CRMマガジンによると、CDM (Channel Data Management) を導入した企業は、売上が5%から10%が高まったそうです。

データがもたらす効果

販売チャネルのデータは、売上、在庫量、市場への浸透度、新規市場など、販売機会に関する貴重な情報を可視化するために不可欠です。Forrester社のJay McBain氏は次のように述べています。「我々の調査の結果、チャネルデータをリアルタイムで効果的に使用することで次の効果があることがわかりました。市場への製品投入までの時間を短縮すること、施策の実行中に修正できる実用的な示唆を提供すること、エリア情報からお客様についての新しいレベルの知見を得ること、データへのアクセス性を高めて支払いエラーを減らすこと、そして、チャネルにおけるROIC(投下資本利益率)を定量化することなどの効果があるのです」

時間を有効に活用

データがあれば、販売チャネルの管理はそこまで複雑ではありません。意思決定に必要なデータがあれば、パートナーへの問い合わせのために販売サイクルにおける貴重な時間を使うことなく、見込顧客の情報を共有して、新規案件を進めることができるようになるのです。

ここに驚くべき統計があります。世界中の販売チャネルには、推定1.5兆ドル相当の売れ残り製品があると言われています。考えてみてください。これは営業チームにとって大きなチャンスでもあります。タイムリーで質の高いデータがあれば、製品の販売を促進する新しい方法を発見でき、数億円もの追加収益に繋げることができるかもしれません。

世界中の販売チャネルには、推定1.5兆ドル相当の売れ残り製品があると言われています。

データ活用の障壁

販売パートナのデータを収集して利用するには、複数の障壁があります。パートナがそれぞれに独自のデータを保持しており、その詳細レベルも様々です。また、パートナごとにシステムや収集方法が異なる可能性もあります。クラウドコンピューティングの台頭により、より多くの販売パートナがより多くの製品を再販するようになっているので、パートナは正確な情報をメーカーに報告する能力もモチベーションもないかもしれません。販売チャネルからのデータが限られていたり、品質が低い場合には、企業は販売戦略や手法について正しい判断を迅速に下すことができなくなります。

得られる成果とは?

チャネルデータの収集と管理は簡単な作業ではありませんが、大きなメリットがあります。販売チャネルの持つデータは、営業チームがエンドユーザをより深く理解し、成約率を向上するのに役立ちます。営業やマーケティングに関する重要な意思決定を直感で行う必要がなくなれば、その効果はすぐに表れ、長期的にパフォーマンスを向上できます。