ガラクタのたくさん入った箱を持っていた経験はありませんか。その箱にはいろいろな物が入りすぎていて、必要なものを見つけ出すのが難しかったのではないでしょうか。これと同じようなことを、業務中でも経験することがあります。質の低いデータを保持していると、ガラクタ箱からさがし物を見つけ出すように、多くの時間を浪費してしまいます。アメリカでは、質の低いデータのせいで年間3.1兆ドルものコストがかかっていると見積もられています。
ビジネスにおいて、私たちは以下のような目的でデータに依存しています。
- 顧客やパートナーが誰で、どのようなコミュニケーションを取っているかを把握するため
- 顧客やパートナーを区分・分類してそのニーズや強みを理解し、最善の方法でサポートするため
- 顧客やパートナーの購入・販売動向を把握するため
- 販売実績を把握して優良な顧客やパートナーを見極め、クロスセルやアップセルの機会を伺い、市場拡大の機会を見つけるため
これらの目的を達成するためにデータを活用するのであれば、そのデータが完全かつ正確で、最新であることが重要です。
御社のデータはどのくらいクリーンですか?
Experian社の調査によると、83%の企業がビジネス戦略にデータは不可欠であると考えているにもかかわらず、連絡先や顧客データの30%が不正確な可能性があるそうです。
古い方法でデータ管理をしていれば、御社が想定するよりもずっと大きな損害を被る可能性があります。時間の浪費はもちろん、データの信頼性が低いために、推測で意思決定をせざるを得なくなるでしょう。
データ管理のための適切な戦略と業務プロセスがあれば、正確かつ再利用可能なデータを保持することができます。データの重複を排除し、フォーマットを標準化してデータを管理すれば、データ分析を通じて実用的な洞察を得ることができるようになります。
データ管理に必要な要素を備えていますか?
御社のデータ管理モデルに改善点があるかどうかは、どのように判断すればよいのでしょうか。世界的なデータ管理コミュニティであるDAMA Internationalは、次の11項目を必須の要素として挙げています。
- データガバナンス – データの可用性、有用性、一貫性、完全性、安全性の確保
- データアーキテクチャ – データ構造と広範なエンタープライズアーキテクチャへの適合性の把握
- データのモデリングと設計 – データの分析および分析システムの設計、構築、テスト、メンテナンス
- データの保存と運用 – データの保存と管理に使用する物理的なハードウェア
- データセキュリティ – データの保護とユーザーのアクセス制限
- データ統合と相互運用性 – 構造化された形でのデータ変換とメンテナンス
- ドキュメントとコンテンツ – 構造化されたデータベースへのアクセスおよび統合を目的とした非構造化データ
- リファレンスデータとマスタデータ – 冗長性とミスを減らすためのデータの標準化
- データウェアハウスとビジネスインテリジェンス – 分析および意思決定のためのデータ管理
- メタデータ – メタデータの作成、収集、整理、管理
- データ品質 – データとデータソースを監視し、データの完全性を確保
これらは、レシピに欠かせない食材と考えてみましょう。どれかひとつでも欠けると、出来上がった料理は失敗作になってしまいます。例えば、メタデータを管理しなければ、データの分類が難しくなります。質の高いデータがなければ、データ構造全体の信頼性が低くなり、分析によって実用的な洞察が得られるどころか、無駄な情報を得ることになります。
ぜひ上記11項目を使って、御社のチャネルデータの管理能力の確認してみてください。