なぜお客様は御社の製品・サービスを購入してくださるのでしょうか。御社の製品・サービスが選ばれる理由は何でしょうか。御社の製品・サービスが、他社と比べてユニークで優れている点は何でしょうか。多くのメーカー企業では製品やサービスの良さをエンドユーザーに伝えるために多大な努力をしていますが、卸売業者や小売業者に対する価値提案はいかがでしょうか。エンドユーザーと卸売業者・小売業者は異なるからこそ、価値提案もそれぞれ異なる必要があります。
もし卸売業者や小売業者に対して御社独自の価値提案ができれば、より良いパートナー関係を築くことができますし、マーケティング戦略を高度化させることもできます。価値提案とは卸売業者や小売業者への御社の意思表示でもあり、それ次第で、より多くの卸売業者や小売業者を引きつけ、より強固な関係を築き、御社に対するロイヤリティを高めることが可能になります。そして、この価値提案をしていく中で重要なのは、その価値を卸売業者や小売業者に対してどのように届けるのか、ということになります。以下に、価値提案のメッセージを伝えるために重要な手順を紹介します。
- ターゲットや得意分野が同じパートナーを見つけること: 価値提案において、小売業者や卸売業者がターゲットとする顧客層や得意とする分野などが、御社の製品・サービスと明確に合致していることが重要です。このターゲットや得意分野が合致していることで、御社の価値提案が確固たるものになります。
- 卸売業者や小売業者への支援方法を明確にすること: 小売業者や卸売業者がビジネスを拡大するために、メーカーである御社がどのように貢献できるのかを証明することが不可欠です。例えば、同じような事例を紹介することや、特定の市場に向けた事業戦略やキャンペーンを実行することが挙げられます。
- ターゲットとする業界における実績を示すこと: 製品やサービスを販売するためには、人材などのリソースやサポートなどのサービスをどのように提供するのかを明確に示しましょう。例えば、広告やブランディングコンテンツ、ソーシャルメディアなどを活用して、御社の知識・知見をアピールしましょう。
- 未来像を共有すること: 御社のサービスをより良いものにするための明確なプランをパートナーと共有しましょう。そして、パートナーの対応力を評価し、両者が成長するために何が必要かを理解しましょう。
- 明確なロードマップを作成すること: 収益が上がるまでに、どのような投資が必要で、どの程度の時間がかかるのかを示しましょう。御社の製品やサービスは、卸売業者や小売業者にとって、新しい成長市場を切り開けるものなのか、新しいビジネス機会を創出するものなのか、マーケティングを支援するものなのか、提供する技術やソリューションにどのようなニーズがあるのか、を確認して、示しましょう。
- 強みや専門性をアピールすること: 御社との取引が、卸売業者や小売業者にどのようなメリットをもたらすのかを示しましょう。成熟したパートナープログラム、トレーニング、サポートなどを通じて、御社との取引がライセンスシェアやサービス収入よりもはるかに大きなメリットをもたらし、ビジネス領域の拡大や信頼性の向上など、ビジネス全体で見た時に大きな成長をもたらすかもしれません。
メーカーが卸売業者や小売業者の間で存在感を高めるためには、洞察力に加えて、一貫した施策を継続することが重要です。メーカーである御社が、卸売業者や小売業者をどのくらい大切なパートナーとして考えているかを示すためにも、資料作成やコミュニケーションを丁寧に行い、行動に表していきましょう。そうすることで、時間がかかるかもしれませんが、卸売業者や小売業者にとっての価値提案が可能になり、良好なパートナーシップを築くことができるようになるのです